『吹く風の強さ』第3話『秘密の白い袋』
彼はホテルの浴衣に着替えていた。
その合わせ目から覗く胸板と太もも。
そのどちらもが鍛えられている証を示す。
「ねぇ、今までどんなエッチした事あるの?」
彼からの事情聴取が始まる。
「実はまだ一人しか経験した事ないんです」
「え?まじで。そんな事言って実は…なんて事じゃないよね」
「はい。去年に体験したのが初めてなんです」
「でもそれからすごく期間が経ってるけど…」
「そうですね。あまり上手な人じゃなくって
それからしばらくやりたいと思えなかったんですよ」
「じゃあ、なんでまたやろうと思ったの?」
「う~ん。なんとなく…」
自分の心理状態もしっかり把握できてないだけに
そこに上手な返答のできる僕はいない。
「まっ、いいんだけどね。
軽くSMチックにって事だけどそれは大丈夫なのかな?」
「はい、それには興味あったんで」
「ふ~ん、じゃあ大丈夫か」
「はい。ぜひよろしくお願いいたします」
新婚初夜の生娘じゃないんだからそんな堅苦しい挨拶はないだろ。
そんな雰囲気で彼が苦笑いで僕を見つめる。
見つめられるとまたしても照れと緊張が襲ってくる。
「楽しもうね」
そんな緊張を知ってか彼が和らげようとしてくれる。
「どうしようかな。縛りは興味ある?」
「えっ、縛りっすか?さすがにハードなのはきついかも」
「ははっ。いきなりそんなハードな事はしないよ」
彼にとっては事前交渉なんだろう。
SM初体験の僕にとってもその方がありがたかった。
ほっと息をついたのもつかの間、彼が起き上がった。
「さて、んじゃあ、どうしようかな」
そう言いながらベッド脇に置いてあった白い布袋を取り出す
「一応ね…」
と言いながらその袋に手を突っ込む。
取り出されるグッズの数々。
まず綺麗に束ねられた縄が現れる。
いきなりの登場に驚きを隠せない僕。
「使う事あるんですか?」
つい口を挟んでしまった僕に
「うん。地元のSFが好きだから」
とあっさりした返事が返ってくる。
「他に何が入っているんですか?」
「う~んとね」
と言いながら次々と取り出されるモノ。
ローション
コンドーム
そして…
おそらくMサイズと思われるハリガタ
黄色の小型のローター
それと長めのローター
それと錠剤
「これはなんですか?」
おそるおそる聞くと
「う~ん。なって言ったらいいのかな。持続させる薬かな
これを飲むと一回イったくらいじゃ萎えないんだよ」
あぁ、これが世に聞く三宝便か。
そんな事を思いながら箱をまじまじと眺める僕。
「まっ、タチが飲む薬だから一志くんにはいらないかもね」
笑いながら僕の手から箱を取り上げる。
そう言いながら綺麗に並べられたグッズの横にその箱を置いた。
「覚悟はいい?」
ちょっとおどけながら放たれる言葉。
まだ見ぬ世界への入り口なんだろうか。
武者震いが僕を襲う。
(続く…)
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